イタリア日誌 〜東京〜

私は今年の3月までイタリアに一年間の料理修行に行っていた。
今回はその時の話しを少し。

何を隠そう私。まず、東京に行ったことがない、ビザの申請で初めて東京の地を踏みしめた。
初めての東京。びっくりした。

人間だらけ。

元々、私の地元は"遠軽"と言うちっちゃい街。
遠軽に遊びに来た札幌の友人曰く、「牛の方が多いんじゃねー?」だそうだ。
そんな事あるわけないが、でもまぁ気持ちはわからないでもない。

そんな田舎者は正月に開かれるステラプレイスのセールの時でさえ人間の多さに具合が悪くなる。
そんなやつが東京なんて。
無理だ。

目的地は港区。
行き方をしらない私。
通行人に尋ねる私。
無視される私。
キヨスクのオバちゃんに尋ねる私。
電車に乗る私。
人間の多さに具合が悪くなる私。
電車から降りる私。
ローソンに寄る私。
……トイレで…私。
水分補給する私。
目的地が分からない私。
通行人に尋ねる私。
無視される私。
諦める私。
タクシーに乗る私。
¥1000以内で到着したタクシー。
びっくりした私。

東京はフィレンツェに住むより困難だと学んだ私。

ポルチーニ茸

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作りました。
"北あかりのトルテッリーニ ポルチーニ茸のソース"
ポルチーニ茸はイタリア料理の定番ですね!

パスタは個人的に好きなトルテッリーニ。形がおもしろく、具材も多めに入る。なにより作っていて楽しいのです。
コックも人間。作っていて楽しい方が美味しいものを作れる。と思っています。
私好みのこのパスタ。
中身は北あかりをマッシュポテトにしたもの。
温度も保ってくれ、寒くなってきた季節にぴったり。口の中を火傷する位がちょうどいい。

ソースはポルチーニ茸、オリーブオイルとバター、玉ねぎなどで作る。
これはイタリア修行で最初に学んだソース。
北イタリアのロンツォ キエーニスと言う田舎町。標高1000m、人口1000人の村で働いた際に教わった。
家族経営のホテルで、コックは2人。従姉妹同士のオバちゃん達。
ステッラとマヌエラ。誰でも想像するとすぐに頭に浮かぶ"THEイタリアのマンマ"という感じ。

そんなイタリアのマンマの味を再現した一皿。

是非、御来店の際にいかがでしょうか?

最高のご褒美。

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先週の事。
しばらくの間オーナーの中井が店を留守にしていた。
フィアンコは中井がホールを担当。私とシズカがキッチンを担当。というシステム
人数も少ない事もあり忙しい時は全員守備。全員攻撃だ。

しかし先週は中井が不在。ゴールキーパー無しのサッカーみたいなもの。

サービスが行き届かなくお客様に迷惑がかかるのだけは避けなくてはならない。
だが一通のメールが届いた。
ノムラーノアグラのノムラさんからだ。
幸いノムラーノアグラは18:00オープンの夜型のお店。ランチは手伝いに来てくれるとの事。おまけにノムラーノのサービスをやってるチカさんも来てくれる。
これ以上の助っ人は居ない。
オリバー・カーンとベッカムだ。

久々にノムラさんと仕事をする事もあり私は緊張でドキドキだったが
そんな事は言ってられない。

皆さんのお陰で少しサービスの形は違うが中井不在のフィアンコ営業は終了した。
(お手伝いに来てくれた方々、本当にありがとうございました。)

そして今週からいつものフィアンコに戻った。

そんな私とシズカに中井のお兄さんの方から最高のご褒美が。

『マクドナルドの金券』

これはうれしい。
私はイタリア滞在時にも各地でマクドナルドに行く程のマクドナルド好き。
ウィーンにある世界一美しいマクドナルドにも行った事がある。
いつマクドナルドから表彰されてもおかしくない。が、まだ表彰されてない。

これを見たマクドナルド関係者の方。
宜しくお願いします。

まぁそもそも表彰されるなんて話し聞いた事もないが…

秋刀魚のマリネ

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秋刀魚をメニューに入れたいなぁ。
と考えていた所、
前回、La Piazza のヤスダ料理長が御来店の際、"すだち"を頂きました。

これはもう、アレだ。

秋の新メニュー
"秋刀魚のマリネのブルスケッタ"

これしかない!

根室産の秋刀魚を白ワインビネガー、ニンニク、すだち、などでマリネ。
fiancoのパン職人シズカが作ったガーリックトーストの上に乗せ、最後にすだちの皮をパラパラっと削る。

すだちがなかなか良い働きっぷりを見せてくれる。

季節の一皿を是非。

味見でなくなるかも…

師匠×2

胃が痛い。

今日は知り合いがランチに来てくれた。
3組もだ。それもみんな知り合いの。
以前、私が中央区で働いてた"Taverna La Piazza"の面々。
最初に洗い場で働いる方が来てくれた。
久しぶりにお会いしたので料理を作りながらこの方とは色んな話しをしたなぁ。とか、シェフに怒られ落ち込んでる私に優しく話しかけてくれたなぁ。など思い出が蘇ってきた。

すると何やらホールが騒がしい。冷や汗が出る。それは独特の笑い声だった。しかも聞き慣れた。
ホールを覗いて見ると、私の最初の師匠、元La Piazza 3代目料理長 ノムラさんがいた。
今はススキノの近くで"ノムラーノ アグラ"を開いている。
コックを始めたばかりでミスばっかりしてた私が悪いが、よく怒られた。
普段は気さくで面白く、とても良い方だ。ノムラさんを慕うコックも少なくない。私も誓って大好きである。
しかし、怖い。

オーダーが入った。魚介のピッツァを一枚焼く。ノムラさんの好きなイカを少し多めに入れて。
ノムラさんに作るのはやはり緊張する。
胸がドクドクと鳴るが平然を装い
いつも通りのピッツァを焼き上げた。

と、オーナーのナカイが外へ飛び出した。尋ねると、現La Piazza料理長 ヤスダさんが来た。との事だ。
これまた私のお師匠さんである。
気が休まる事は無い。

ヤスダさんにもかなり怒られてる私。普段は優しく、喋りやすい。とても良い方だ。調理学校の講師も勤めていて、学生の評価はとてもよくファンが多いみたいだ。実際、うちで働いているシズカもお世話になったみたいでファンの1人だと彼女は言う。
誓って私も大好きである。
しかし、怖い。

オーダーが入った。本日の日替りパスタ。"アンチョビとキャベツのペペロンチーノ"
まさにこれはヤスダさんに教わった皿だ。
1人なら未だしも2人の料理長を前にパスタを作るのは
誰かに胃を掴まれてる気分だ。
さっきより胸がバクバクと鳴っていたのが分かったが、これも平然を装いパスタを仕上げた。

私はすぐさま店の裏手にある畑に行き気を落ち着かせた。
緊張をしてるのを皆に見られるわけにはいかない。

畑でいくつかの食材を収穫し、帰りにノムラさんとヤスダさんに渡した。

本当にお2人にはお世話になり、今の私がいるのもお2人のお陰だと心から思っている。

しかし、食材を収穫し、手渡す。
学生時代、歴史の授業で昔の農民が国に年貢を収める。なんて授業を思い出した。

一大決心

今日から始まります "Yamamoto's Blog"
私、山元康孝と申します。
パソコン関係は大の苦手でパソコンの話しを聞くとカタカナばっかりで頭痛がする始末。
"ブログ"いや、"パソコン"なんてものはこの世から無くなってしまえ!!
と思ってた私がブログを始めるのだから…苦笑
まぁこれから料理の話しやイタリア滞在中の話しなど
載せていきますので気が向いたら覗いてみて下さい。
私も気が向いたら書きますので。

それでは良い一日を。